事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、将来に関する事項の記載が含まれておりますが、当事業年度末(2020年3月31日)現在において判断したものであり、将来を含めた当社のリスク全般を網羅するものではありません。

(1) 経営成績等の状況の異常な変動

・受注環境の変化リスク
当社は東京ガス株式会社等ガス事業者を主要顧客とするガス工事事業を中核事業としておりますが、加えて、建築設備事業、電設・土木事業も展開しており、様々な取引先から工事を受注しております。四半期に一度、業務執行取締役および社外取締役、社外を含む監査役、執行役員、部長が出席する計画進捗会議において、業績進捗とともに、取引先や市場環境の動向を含め、確認しております。しかしながら、東京ガス株式会社等ガス事業者における各種施策、特に電力・ガス市場における小売全面自由化等に伴うエネルギー競争激化による受注量や受注単価の変動、ならびに受託業務の見直しやその他の取引先の事業戦略の大幅な変更、少子高齢化による着工数減少による価格競争の激化が想定を超えた場合には受注量が減少し、当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

(2) 特定の取引先への依存

・売上高の集中リスク
当社の中核事業であるガス設備工事およびガス導管工事は、複数のガス事業者から受注しておりますが、主要顧客である東京ガス株式会社の売上割合は約6割を占めております。当社は2019年度よりスタートした中期経営計画で掲げた「真の総合設備工事会社」への転換を図ることにより、この割合を下げることを目指しております。しかしながら、予期せぬ事業環境の変化が生じた場合、事業構造転換のための施策の遂行が遅延し、結果的に当社の事業展開が影響を受ける可能性があります。

(3) 法的規制・取引慣行

① 法的規制リスク

当社では、事業活動にあたり会社法、金融商品取引法、建設業法、民法、労働基準法などさまざまな法令の規制を受けております。法令、規則等の遵守状況については、会社法に則った業務・コンプライアンス監査や金融商品取引法に係わる内部統制監査を毎年実施し、その結果について取締役会に報告する仕組みとなっております。しかしながら、社会情勢の厳格化による法的規制の急激な強化、法規制に関する認識不足に起因する法律違反が顕在化した場合、それに対応するための追加費用の増加や社会的信用の失墜などにより、当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

② 不採算工事の発生リスク

当社では、工事見積時および受注時に職務権限決裁基準で定めた金額に応じた決裁者による決裁を受けております。不採算となる可能性のある工事の受注については、より上位者による決裁基準を設定しているほか、毎月経理部において、一定のルールに従って抽出した異常利益物件について調査し、役員に回覧するなど、不採算工事の早期把握と抑制に努めております。しかしながら、受注環境の悪化に伴う競合他社との価格競争の激化や当初想定していた見積りからの乖離、工事の施工段階における想定外の原価等の発生や工期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により不採算工事が発生した場合は、当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

③ 取引先の信用リスク

当社はエネルギー供給事業者をはじめ、建設会社、設備工事会社、ハウスメーカー、工場、ゴルフ場など様々な取引先から工事を受注しております。当社では与信管理規程および与信管理実施要領を定め、取引先ごとに与信限度額を定めるとともに、随時見直しを実施しております。また、与信限度額残高一覧や超過物件一覧を社内イントラに掲載するとともに、受注登録時に警告を表示するなどの対策を行っております。しかしながら、景気悪化に伴う取引先の業績不振などにより工事代金受領以前に取引先が倒産するなど債務の不履行が発生した場合は、当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

④ 資機材高騰による原価上昇のリスク

工事施工で使用する資機材は原油精製製品が多いため、その価格は原油価格に連動する傾向があります。当社では、四半期に一度、業務執行取締役および社外取締役、社外を含む監査役、執行役員、部長が出席する計画進捗会議において、業績進捗を確認する際には、原価率の推移にも留意しております。しかしながら、原油価格の高騰などにより資機材価格の異常な高騰が発生し、それが受注価格に転嫁できない場合は、当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

⑤ 業績の季節的変動によるリスク

当社の完成工事高は、工期がごく短期間であるものが多数であることに加えて、戸建住宅、集合住宅などの完成時期が年末及び事業年度末に集中する傾向にあります。当社では、工事進行基準の適用に加えて、四半期に一度、業務執行取締役および社外取締役、社外を含む監査役、執行役員、部長が出席する計画進捗会議において、それぞれの工事の進捗を確認しておりますが、工期遅延などにより上半期に完成予定であった物件の完成時期が下半期に繰り越されるなど上半期と下半期との完成工事高に著しい相違が発生することが想定され、当社の財政状態、業績の進捗が影響を受ける可能性があります。

(4) 重要な訴訟事件等の発生

・賠償責任リスク
当社は、竣工引き渡し後一定期間の間、契約不適合責任(改正前民法における瑕疵担保責任)を負っております。工事賠償保険への加入やISO9001:2015規格で培ったノウハウを進化させ、当社独自に策定した品質管理システム[QP(Quality Plus)マネジメントシステム]に基づいた品質管理、クレーム処理、是正処置、予防処置を実施するとともに、代表取締役を委員長とした品質マネジメント会議を設置し、品質の向上に取り組んでおります。しかしながら、施工不備による建物被害、点検/修理対応不備による被害、第三者による損傷を含め、引渡し後の補償等、契約不適合責任等に関連して訴訟等が提起された場合は、それに対応するための新たな費用が発生することにより財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

(5) その他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項

① 自然災害リスク

地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象やパンデミックが発生した場合、社員や所有建物・設備など事業継続のリソースに対する被害が発生し、事業活動が停止することなどにより、当社または取引先が被害を受ける可能性があります。当社は自然災害などの重大災害に備え、BCP(事業継続計画)を策定し、全役職員に周知するとともに、BCPに基づいた防災訓練の実施や必要物資の備蓄、拠点や関係会社との連携・情報共有などの対策を講じております。また、社員の安否を確認する安否確認システムの導入や建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)など各種災害に備えております。しかしながら、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、これに伴う役職員の被災、営業拠点の修復または代替のための費用発生等により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

② 人材の確保リスク

当社は、中長期の事業展開を見据え、「求められる人材像」を定め、新卒だけではなく中途採用を強化し、将来を担う優秀な人材の採用・育成に努めております。2019年4月、人事制度を刷新し、キャリアパスの複線化や成果に応じたメリハリのある処遇の設定、適材適所な人材配置の実施、定年後再雇用制度の見直しなど、モチベーションの維持・向上を促すことによる人材の定着化に努めております。また、従業員ならびに就職希望者にとってより魅力的な企業となるよう、従業員の労働環境の改善を図るために、2019年8月、働き方改革推進委員会を設置し、長時間労働抑制に向けた施策の立案、実施に加えて、管理者が労務管理を正確に行うツールとして、勤怠システムを改善するなどの環境整備を実施しております。しかしながら、少子化の影響や景気拡大に伴う大手企業の採用数増加などにより、必要な人材を継続的に確保できなかった場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

③ 協力会社の高齢化リスク

当社では、受注した工事等を協力会社に発注しております。少子高齢化による人手不足、後継者難は建設業界に共通する難しい問題ですが、協力会社への経営指導や働き方改革を推進することで労働環境の改善を行い、魅力ある仕事となるよう可能な限りの支援策を講じております。しかしながら、協力会社における若年層の採用難や若年層の退職増加等により、主要な協力会社に不測の事態が発生した場合、施工能力が低下するなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

④ 不良事故(自社工事事故)の発生リスク

ISO9001:2015規格で培ったノウハウを進化させ、当社独自に策定した品質管理システム[QP(Quality Plus)マネジメントシステム]に基づいて、クレーム処理、是正処置、予防処置を実施するとともに、代表取締役を委員長とした品質マネジメント会議を設置し、品質の向上に取り組んでおります。また、品質管理部を事務局としたリスクマネジメント会議や再発防止検討会において、予防策、事故の傾向分析、原因究明、再発防止策を検討しております。加えて、業務・コンプライアンス監査を定期的に実施し、各部・各拠点において法令、規則等を遵守した業務遂行が行われているかチェックしております。しかしながら、工事施工上の問題に起因する品質の不備もしくは事故等が発生した場合、発注元や監督官庁からの工事施工資格や入札参加資格の停止といった処分を受けることにより、当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

⑤ 現場事故(交通事故・労働災害)の発生リスク

当社は、安全運転管理規程および安全衛生管理規程を定め、定例勉強会や再発防止策の教育を実施するとともに、本社においては、年4回、安全衛生中央委員会、拠点においては毎月安全衛生委員会を開催し、事故・災害事例の共有と再発防止策の共有に努めています。また、品質管理部を事務局としたリスクマネジメント会議や再発防止検討会において、予防策、事故の傾向分析、原因究明、再発防止策を検討しております。加えて、事故惹起者への運転訓練や年に1度、社員、協力会社を集めた安全大会を開催するなど安全管理活動の推進に努めております。しかしながら、予期せぬ事由による事故・災害の発生や基本作業の逸脱による重大事故等の発生による人的被害・物的被害・社会的信用の失墜などにより当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

⑥ コンプライアンスリスク

当社では、コンプライアンス規程を定め、各部門の長を委員としたコンプライアンス推進会議において定めた年度実施計画の基本方針に基づき、各部門で強化策を展開するとともに、コンプライアンスに関する研修等を実施することによって「協和日成グループ行動基準」の浸透とコンプライアンスマインドの継続的な高揚を図っております。特に、反社会的な勢力・団体との関係の遮断を「協和日成グループ行動基準」で明文化するとともに、本社地区特殊暴力防止対策協議会への加盟、本社・各拠点に不当要求防止責任者を選任し、反社会的な勢力・団体に関する情報の収集・管理や対応マニュアルの整備等、体制構築に向けての検討を行い、積極的に全社展開を推進しております。また、業務・コンプライアンス監査により、コンプライアンスを逸脱した業務遂行が行われていないかを確認しております。しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクは完全に回避できない可能性があり、法令・規則・関係マニュアル・企業倫理に反する行為等が発生した場合には、対応に要する直接的な費用に止まらず、社会的責任の発生等有形無形の損害が発生する可能性があります。

⑦ 情報漏洩リスク

当社は業務遂行の一環として、個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。取引先情報の保護について定めたプライバシーポリシーを公表しているほか、個人情報保護規程、特定個人情報(マイナンバー)取扱規程、情報管理規程を定め、年1回、個人情報の棚卸を実施しております。また、インサイダー取引の未然防止をコンプライアンス上の重要な課題の一つとして認識しており、IR基本方針においてインサイダー取引規制に留意する旨を定め、フェアディスクロージャールールに則って対応するとともに、役職員が遵守すべきインサイダー取引防止のための内部情報管理および内部者取引防止規程を定め必要な情報管理体制を整えるなど、個人情報、機密情報のセキュリティについては細心の注意を払っております。しかしながら、ハッキングやスパムメールなどの外的要因を含め、情報の外部への漏洩、改ざん、不正使用などが発生した場合、結果として損害賠償を負うことがあり、また信用の失墜により当社の事業展開、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

⑧ 基幹システムの停止・誤作動リスク

当社は、大地震等の発生によるシステムの停止・誤作動への対応として、緊急マニュアルの整備、ベンダーとの復旧契約の締結などを図っております。しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウィルスの感染、不正アクセス等不測の事態により、工事管理システムおよび経理システムが不測の事態により停止・誤作動した場合は、当社の財務報告の適正性に影響を及ぼす可能性があります。

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